改正法の枠組みのもとで、「パワーハラスメント(以下「パワハラ」)」はこれまでよりも明確な定義と態様を備えるに至りました。
- 「職業安全衛生法」(以下「職安法」)に第22-1条が新設される前においては、パワハラの定義は、労働部が策定した「職務執行中における不法な侵害予防ガイドライン」(第4版)(以下「予防ガイドライン」)附録六に記載された内容を参照することが多く、そこには以下のように定められています:「労働者が職務執行中、職場において、同僚間又は上司・部下間での職務・権力の濫用又は不公平な取扱いを通じて、継続的な非礼、脅迫、冷遇、孤立又は侮辱行為を受け、被害を受けた労働者に挫折感、脅威、羞恥、孤立及び傷害を感じさせ、ひいてはその心身の健康又は安全を害するもの」。
- 今回の職安法改正において、第22-1条第1項はパワハラを以下のように定義しています:「労働者が職場において職務を執行する際、当該事業単位の人員が職務又は権力等の関係を利用し、業務上必要かつ合理的な範囲を逸脱して、継続的に非礼、脅迫、冷遇、孤立、侮辱その他不当な言動を行い、その心身の健康を害するもの。ただし、情状が重大な場合は、継続的に発生したことを要しない。」情状が重大な場合とは、労働部の『職場ハラスメント防止措置指導マニュアル』(以下「マニュアル」という。)に基づき、侵害の強度、権力の格差、公開性、屈辱性、被害者の心身への影響の程度などの要因を総合的に考慮して判断しなければならないとされています。
- パワハラの具体的な態様及び判断については、「パワハラ防止措置準則」第2条がさらに以下のように規定しています:「パワハラの認定は、本法第22条の1第1項の定義に合致しているかに加え、事案の発生背景、頻度、場所、行為者の動機、目的、および以下の各号に掲げる事情を総合的に斟酌して行わなければならない。一、特定の人を意図的に排除、無視、冷遇し、必要な重要会議、業務または活動に参加させないこと。二、特定の人の業務を破壊し、または意図的に妨害すること、職務上の地位を利用して嫌がらせをすること、意図的に情報を隠蔽する、または虚偽の情報を提供すること。三、特定の人に対し権力による圧力をかけ、意図的に不合理な業務目標または能力に著しく見合わない業務を割り当てること。四、特定の人について、意図的に噂を流布する、またはプライバシーを暴露すること。」上記四つの行為態様は、マニュアルに規定されているパワハラの類型(すなわち、社会的排除、職務妨害、権力の濫用、名誉侵害)と概ね一致しています。
結論:
パワハラの定義について、予防ガイドラインは侵害行為に「継続性」を要するとしていますが、職安法第22条の1は、「情状が重大な場合」には継続的に発生したことを要しないと明確に規定しています。企業の担当者は、労働者からのパワハラ申立を受理し、その申立の成否を判断する際には、この点に留意する必要があります。
※注意事項:本稿で言及した職安法及び関連する「パワハラ防止措置準則」は、いずれも公告されており、2026年7月1日より施行されています。















