立法院は2025年12月2日、「職業安全衛生法」(以下、職安法)一部条文改正案を三読で可決しました。修正条文は25条(うち6条を新設)に及び、2013年の全面改正以来、最大規模の改正となりました。今回の改正は、重大な職業災害が依然として十分に減少していないこと、建設工事の労災割合が依然として高いこと、またパワハラ防止への対応が課題となっていることを踏まえ、「労災予防の全面化」と「パワハラの法制化」を核心としています。

今回の職安法改正の主なポイントは以下の通りです:

  1. 工事初めの段階での防災強化(第15条の1)
    一定規模以上の建設工事を発注する事業者(工事発注者)は、企画・設計・施工の段階で工事の特性に基づき潜在的危険を分析し、安全衛生に関する図面、仕様、予算を作成し、施工者が必要な予防設備・措置を講じられるようにしなければならない、という内容を追加。
  2. 請負安全管理の強化(第27条、第27条の1)
    1. 事業者は請負に出す際、リスクアセスメントを実施し、その結果に基づき危害情報を通知しなければなりません。また、作業場所や設備を貸与又は賃貸する場合も事前に危害告知を行うことを義務付けています。
    2. 工事現場における機械・設備・器具・人員の入場管理を新たに規定しており、各階層の請負人は発注元事業者と同様の防災措置を実施し、請負管理義務に協力しなければなりません。発注者が複数の施工者に工事を分けて発注する場合、そのうち一つの業者を指名し、全体の安全衛生の統合管理責任を負わせます。
  3. パワハラ防止に関する章を新設(第22条の1~第22条の3)
    1. 「パワハラ」を明確に定義:労働者が労働場所で職務を執行する際、事業者の人員が職務上の地位や権限を利用し、業務上必要かつ合理的な範囲を超えて、侮辱、脅迫、無視、孤立その他の不当な言動を継続して行い、その結果、労働者の心身の健康に危害を及ぼした場合をいいます。ただし、重大な場合は継続性を要件としません。
    2. 雇用主は事業規模に応じて申立窓口及び関連規定を設け、公示しなければなりません。
    3. 事業者内部でのパワハラ申立に関し、調査・処理の機制や調査人員の利益相反回避義務を強化し、申立人への支援・保護措置を規定します。また、申立案件とその処理結果を中央主務官庁指定サイトへ登録することが義務付けられます。
    4. 最高責任者が加害申立を受けた場合の外部申立、調査及び処理に関する制度を創設し、労働者が地方主務官庁に申立できる手続・期限を規定。地方主務官庁は専門家や民間団体に調査を委託することもできる。
  4. 罰則の強化と罰金額度の引き上げ
    事業者に職業安全衛生上の防災責任をきちんと果たすよう要求し、適度に刑事罰の刑期延長、罰金額引き上げ、及び行政処分における過料の上限額引き上げを行います。
  5. 違反事業者の違反した法律条文及び罰金、過料額等公表事項の追加
    本法違反者の公表内容として、新たに処分日、違反条文、罰金額の公表を追加。職業災害が発生した場合は、発生日、発生場所、被災者数も公表対象とします。

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