私法人が外国人労働者を不法留置した場合の処罰根拠について、最高行政裁判所大法廷は2026年8月12日、最高行政裁判所115年度大字第1号裁定において、法律見解を以下のとおり統一しました。「私法人が就業服務法第44条の規定に違反した場合は、同法第63条第1項の規定に基づき処罰する。」 

 

■ 事案の背景と法律争点 

本件は、ある建設会社が、許可の失効した外国人を就労させていたとして地方主務機関から就業服務法第44条違反と認定され、同法第63条第1項の規定に基づき過料を科されたことに端を発します。当該建設会社は地方主務機関の処分を不服として関連する救済手続を申し立てました。しかし、私法人が就業服務法第44条に違反した場合に、同法第63条第1項と第2項のいずれを処罰根拠とすべきかについて、各高等行政裁判所の判断が一致していなかったため、最高行政裁判所大法廷による統一見解の形成が必要となりました。 

 

■ 最高行政裁判所大法廷の見解 

法人の内部人員が職務の執行または法人の利益のために実際の行為を行い、その結果として法人が行政法上の義務に違反した場合、法律に別段の特別規定がある場合を除き、実際の行為者ではなく法人が主たる受罰主体となります。法人の内部人員が職務の執行または法人の利益のために、法人が管理・支配する場所において外国人を不法に就労させた場合、就業服務法第44条の禁止規定に違反する主体は実際の行為者たる内部人員ではなく法人であることから、法人が就業服務法第44条に違反した場合には、同法第63条第1項の規定が法人に対する処罰の根拠となります。 

 

就業服務法第63条第2項の「当該法人に対しても前項の過料を科す」との規定については、法人の初回違反および5年以内の再犯のいずれに対しても罰金(刑事罰)が科されるという誤解を避けるための規定であると解すべきであり、法人が就業服務法第44条に初めて違反した場合には行政罰が科されるべきことを重ねて確認したものにすぎず、同規定があって初めて法人を処罰することができるようになったものではありません。 

弁護士等

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