不動産経紀業管理条例に基づき、不動産の売買、交換、賃貸または販売の代理を不動産仲介業者や販売代理業者に委託する場合、当該業者が指名した宅地建物取引士(経紀人)は、不動産説明書に署名捺印し、取引の相手方に対して説明を行い、かつ当該説明書を交付しなければならない。また、不動産説明書は賃貸借契約書または売買契約書の一部とみなされる。台湾内政部は2026113日、「不動産説明書に記載すべき事項及び記載してはならない事項(中国語:不動産説明書応記載及不得記載事項)」の第2点・第3点を改正し、同年41日から施行すると発表した。今回の改正は、既存住宅(成屋)およびプレセール住宅(預售屋)の取引を対象として、新たに開示すべき内容を定めたものである。その目的は、不動産取引の透明性を向上させ、取引の安全と消費者の知る権利を保障することにある。 

既存住宅(成屋)の取引に関しては、「不動産説明書に記載すべき事項及び記載してはならない事項」において、従来より建物・敷地の基本資料、建物用途の合法性、エレベーターの安全認証、消防およびバリアフリー施設の配置、ならびに所有期間中における水道・電気配管の更新の有無等の情報の記載が規定されている。同時に、建物の管理および実際の使用状況についても、賃貸借、使用貸借、分担管理合意(分管協議)、管理基金および管理組織の運営状況などが明確な開示範囲に含まれており、将来の使用および管理に関する紛議の低減を図っている。
今回の改正では、これらに加え、太陽光発電設備の設置状況、および建築物エネルギー効率ラベルの取得状況を詳細に記載することが新たに義務付けられた。 

プレセール住宅(預售屋)の取引に関しては、「不動産説明書に記載すべき事項及び記載してはならない事項」において、従来より建築許可の内容、建材の規格、工程の進度、保証および履行保証メカニズム、ならびに周辺環境に関する説明義務(隣接敷地において既に建築確認を取得済みまたは施工中の建設プロジェクトの位置、規模、用途、および直近5年以内における敷地周辺半径300メートル以内での水害救助記録の有無を含み、これにより購入者が景観、日照、防災リスク等を事前評価することを可能にするもの)の開示が規定されている。
今回の改正では、これらに加え、太陽光発電設備の設置状況、放射性汚染証明の有無、および建築物コンクリートの塩化物イオン含有量検査報告等の詳細な開示が新たに義務付けられた。 

この改正により、台湾の不動産市場は購入者の知る権利を大幅に拡充し、持続可能で透明性の高い取引環境の実現を目指している。今後、売買双方および不動産業者は、法律的リスクを低減し、取引の安全を確保するために、早期に対応を図るべきである。 

 

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