台湾では、食品の安全性を確保するため、輸入食品に対する水際検査が厳格に実施されています。特に生鮮農産物や残留農薬などの関連基準については詳細に定められています。関連基準に適合しない場合には、輸入が認められません。 

この点に関し、台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は、20251230日、日本から輸入された生のいちご3ロットが水際検査で不合格になったと発表しました。 

発表によれば、当該ロットのいちごからはそれぞれ殺虫剤であるシフルメトフェン(Cyflumetofen)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、ニテンピラム(Nitenpyram)が検出され、いずれも台湾における残留農薬の規定に違反していました。具体的には、シフルメトフェンは台湾の基準値2.0ppmを超える2.9ppm、インドキサカルブは基準値0.01ppmを超える0.07ppmが検出されました。また、ニテンピラムは台湾では農作物から検出されてはならないと規定されており、検出自体が規定違反となります。 

これにより、当該いちごは輸入が認められず、返送または廃棄処分が求められました。台湾の主管機関はまた、毎年11月から翌年5月までの期間、日本産いちごに対する検査の抜き取り比率を100%に引き上げていると表明しています。さらに、統計資料によれば、直近半年間に検査を受けた日本産いちご全158ロットのうち、約3.8%に当たる6ロットが残留農薬違反により不合格と判定されています。 

このことから分かるように、日本から輸入された農産物であっても、台湾の関連基準に適合しない場合には、実務上輸入が禁止される可能性があります。いちご以外にも、過去には日本産メロンやミカンが残留農薬の規定違反を理由として水際検査で不合格となった事例がありました。これらの事例は、製品が日本国内の基準を満たしている場合でも、台湾が独自に定める基準を満たしていないために、輸入制限を受ける可能性があることを示しています。 

台湾の食品関連規制の背景には、消費者保護を中核とする制度設計があります。台湾は「食品安全衛生管理法」を通じて、食品の安全性を法令の地位として明確に確保しています。同法は、食品の製造、輸入、流通の各段階における管理を定めており、輸入食品も例外ではありません。関連基準に適合しない食品は、すべて市場に流通する前に排除されます。 

また、台湾の行政院には消費者保護を専任する主管機関が設置されており、食品安全を含む消費者保護政策の推進を担当し、省庁横断的な方式で運用されています。食品安全問題は単なる通関・貿易上の問題にとどまらず、消費者の健康と安全に直結する事項として見なされています。そのため、違反が確認された場合の行政対応は迅速かつ明確であり、業者側は事前の関連法規の十分な把握と対応が不可欠となります。 

台湾市場への参入や農産物輸出、食品関連ビジネスに従事する意向のある日本企業にとっては、日本国内の法令基準を遵守するだけでなく、台湾が独自に定める食品安全基準や検査制度を十分に理解することが必要です。今回の日本産いちごや過去のミカン、メロンの事例は、台湾が消費者保護および食品安全の面で厳格な立場を取っていることを示しています。 

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