日野自動車株式会社(以下「HINO」)と三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下「MFTBC」)は、2026年1月10日に最終合意に達し、同年4月1日を目処に経営統合を完了する予定である。本件結合のスキームは、トヨタ自動車(Toyota)と独ダイムラートラック(Daimler Truck)が各25%を出資して持株会社「AIB Ltd.」を設立し、同社がHINOとMFTBCの全株式をそれぞれ100%保有するという形で行われる。 

台湾公平交易委員会(TFTC)の審査決定 

TFTCは、2026年1月14日の委員会会議において、本件結合事案について審議を行った。TFTCは公平交易法第13条第1項の規定に基づき、本件が関連市場の競争に与える影響および全体的な経済的利益を考慮した結果、その結合を禁止しない旨を決議した。 

審査の要点と判断理由 

本件の結合当事会社は、主に「大型トラック(大貨車)」、「小型トラック(小貨車)」および「大型バス(大客車)」等の商用車両を販売しており、双方は水平的競争関係にある。結合後、「小型トラック」市場におけるシェアの変動は大きくないものの、「大型トラック」市場においては、HINOとMFTBCは結合前においてそれぞれシェア1位、2位の事業者であり、かつ「大型バス」市場においても双方は重要なプレーヤーである。 

上述した市場構造の変化に対し、TFTCは以下の要素を総合的に考慮し、本件結合は台湾市場の構造および競争状況に対して、著しい競争制限効果を生じさせるものではないと認定した。 

  1. 結合の目的と運営の独立性:本件結合の主たる目的は、日本地域における共同開発、調達および生産活動にある。結合後も、各結合当事会社の事業主体およびブランドは継続して独立存在し、市場全体のブランド数は減少しない。 
  2. 地理的市場の区分:結合の内容には、台湾市場における既存の商用車組立および販売事業は含まれない。 
  3. 販売チャネルの非重複:台湾におけるHINOとMFTBCの下流組立業者および販売網(ディーラー体系)はそれぞれ独立しており、本件結合によって重複することはない。 
  4. 市場の競争圧力:結合後も依然として市場における他の同業者との競争に直面しなければならない。 
  5. 買い手の対抗力:下流の物流運送業者や観光バス事業者等の商用車購入者は、十分な価格交渉力と対抗力を有している。 

全体的な経済的利益の評価 

競争評価に加え、TFTCは世界的なネットゼロ(脱炭素)の潮流および産業転換のニーズも考慮した。商用車分野が電動化およびスマート化という急速な変革期にあることに鑑み、結合当事会社がリソースを統合し、産業転換に必要な重要技術を開発することで、研究開発およびイノベーションのプロセスが加速されると見込まれる。 

以上のとおり、TFTCは本件結合による全体的な経済的利益は競争制限の不利益を上回ると認定し、したがって公平交易法第13条第1項の規定に基づき、結合を禁止しない旨の決定を行った。 

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